2011/10/29

「サヨナラ」ダケガ人生ダ

たまにはちょっと本を紹介
以前にも少し書いたことはある内容なんですが

井伏鱒二全詩集 (岩波文庫)
井伏鱒二全詩集 (岩波文庫)

僕がお勧めするのは
井伏鱒二の「訳詩」です
中国の漢詩を七五調に訳したもの

《「サヨナラ」ダケガ人生ダ》 
どこかで目にしたことがある
名文句
キャッチコピーじゃないでしょうか?
実はこれ
井伏鱒二の訳詩にでてくる一節なんです

オリジナルは
晩唐の詩人
于武陵の「勧酒」という詩で
こんな感じ
=====

勧酒   于武陵

勧君金屈巵
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離

=====
これを井伏鱒二は
こう訳しました
=====

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

=====
厳密にいうと
だいぶ意味がかわってます
大胆な意訳です
すごくユーモラスな感じ

「漢詩」というと
お堅いイメージがありますよね
僕のなかにも
あったのですが
これで大きく変わりました
こんな風に捉えてもいいんだなあ
と思えたのでした

他も少し紹介……
=====

田家春望   高適

出門何所見
春色満平蕪
可歎無知己
高陽一酒徒


ウチヲデテミリヤアテドモナイガ
正月キブンガドコニモミエタ
トコロガ会ヒタイヒトモナク
アサガヤアタリデ大ザケノンダ

=====
唐の時代の詩に
阿佐ヶ谷辺りが出てきちゃったよ(笑)

教科書なんかによく出る
「春眠、暁を覚えず……」は
=====

春暁   孟浩然

春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少


ハルノネザメノウツツデ聞ケバ
トリノナクネデ目ガサメマシタ
ヨルノアラシニ雨マジリ
散ツタ木ノ花イカホドバカリ

=====
といった具合です

なかなか面白いと思いませんか?
漢詩になんて興味ない方も多いと思いますが
このくらい柔らかく
半分悪ふざけみたく
読んでもいいものなんだ
ということを知ってもらいたいなあ
と思い
ちょっとシェアしてみます

正確にいうと
この「訳詩」
井伏鱒二のまったくのオリジナル
というわけではないみたいです
そのあたりの話も
解説に書いてあります
興味ある方は是非

あと
言葉が好きで
漢詩なんかも結構好き
という方には
是非この
「訳詩」に遊びで
挑戦してほしいんですよ
たぶん勉強にもなりますよ

詩の心は
すでにそこにある
あとはそれを
どう日本語に
リズム良く置き換えるか
やってみると結構楽しい
かく言う僕もちょっと
やってみたことがありまして
ご披露しますと
こんな感じ
ーーーーーー

宴城東荘      城東荘に宴す
     崔敏童

一年始有一年春   一年始めに一年の春有り
百歳曽無百歳人   百歳曽(かつ)て百歳の人無し
能向花前幾回酔   能く花前に向かって幾回か酔わん
十千沽酒莫辞貧   十千酒を沽うて貧を辞する莫かれ

トシノハジメハ ハルダモノ…
ヒヤクマデナンテ ムリダモノ…
コノサキハナデ ナンド酔ヘルノ?
ビンボフワスレ ヨイサケ買フノ!



早発白帝城     早(つと)に白帝城を発す
      李白

朝辞白帝彩雲間   朝(あした)に辞す白帝彩雲の間
千里江陵一日還   千里江陵一日にして還る
両岸猿声啼不住   両岸の猿声啼いて住まざるに
軽舟已過万重山   軽舟已に過ぐ万重の山

アサヤケグモニ 別レヲツゲテ
センリノ道モ タツタイチニチ
リヤウギシノサル ヤタラナクナカ
オレノノルフネ イマハヤマナカ

ーーーーーー
お暇な時があれば
是非やってみてください

2 件のコメント :

きりやま さんのコメント...

この杯を受けてくれ♪どうぞなみなみ注がせておくれ♪
ってチセもよく言ってます^^
漢詩、苦手意識があったんやけど
時間あるときに勉強してみよかなぁ。
おもしろそうかも*

さいころ さんのコメント...

どうして、ちせちゃんが(^_^;)?!
漢字なり、漢文なりは、ある程度
日本語のベースになっているので
知っていて損はないです。
ぜひ!