2013/07/17

『メル友』

登場人物

  • クミコ・グレース・ランボルギーニ
       ……出身不明。二十歳。女性。日本に勉強しにきているらしい。
  • タカハタ・イサオ
       ……日本人。二十五歳。男性。穏やかで優しい青年。
お互いがメールを送り合う。相手から来たメールを読む形で進む。

イサオ「儂は日本ゴ教えてくれたい20さいの娘だ。メル友ナリましょう。お頼みまする。 クミコ・グレース・ランボルギーニ」


クミコ「メール拝見しました。いいですよ、是非メル友になりましょう。私は高畑(タカハタ)というものです。25さいの男です。クミコさんは、どちらの生まれですか? 何のために日本に来たのかな? ところで、日本語には男性が使うことば、女性がつかうことばというものが、伝統的にあるようです。あまり20歳の女の子が『儂』とは言いませんよ。でも日本語上手ですね。どうやって勉強したのかな。 高畑イサオ」


イサオ「ありがとう! メル友いいですか。クミは日本は『鬼平犯科帳』が勉強です。侍魂にほだされ訪れたナイスバディ。今、空手道出身高砂部屋の娘はクミです。あちきのふるさとは言いにくい。あえてなら、かしおぺあ座の方角を見つめてみろよ。それがクミの家という。タカハタは鬼平よりですか? 火付盗賊改なる夢がどうすれば良いか教えるよ。 クミコ・グレース・ランボルギーニ」


クミコ「メール読みました。鬼平犯科帳で日本を勉強したのか……。それじゃあ、日本に来てみて想像どおりじゃなかったんじゃないかな。よく分からなかったんだけど、空手をやってるのかな? 実は僕もやってたんだ。とはいえ、オレンジ帯止まりだけど、ハハハハハ。あと、クミコさんのお国は北のほうなのかな? 北欧とか。最後に、火付盗賊改という仕事は現在の日本にはありません。内容がわからないので、今度までに勉強しておきますね。 タカハタ・イサオ」


イサオ「おう、ご免な、イサオ。メールおりがとうございます。そうである。空手やっとります。私の帯の色、紫好き。しかし、銀色なければやめる思います。思ったより侍が外で寝ていて、高楊枝かと。クミのふるさと、デンマークちゃいます。ばいきんぐは宇宙へくりだしたのですか? どうですか! イサオはグリとグラ、どっちが好きか? 私はグリのほうがおいしいそうにです。カラーセラピーだそうですと家元が語りました。 クミコ・G・ランボルギーニ」


クミコ「クミコさんってどんなお仕事してるのかな。『火付盗賊改』というのは、今で言う警察官と裁判官のような仕事のようですね。ところで、クミコさんは友達は多いのかな。普段はどんなことをして遊んでますか。 タカハタ・イサオ」


イサオ「愛してる、イサオ! しらげることは感謝すること。『火付盗賊改』めざす夢とはクミの心はぬくたく光ります。およそ一万時間かけ、特訓の末おつかみ申し上げます。たのもう、たのもう。日本人、友達いぱいできまた。きのうは家元と遊びました。チンチ、つねつねしてさしました。コンド、イサオもチンチ、つねつねしてさしますか? クミコ・G・ランボルギーニ」


クミコ「チンチ、つねつね? チンチつねつねって何のことかな。 タカハタ・イサオ」


イサオ「どんぶり好物の乙女であるクミは、すききらいなどありません。のりも光沢ありがままの、あーオンチかった愛すべき食べ物だと痛く感心してはべり。ちまきという英知を身に染み込む21さいになりました。OKは連絡ください。こんど、国分の『酔虎伝』で会いますか? クミコ・G・ランボルギーニ」


クミコ「いいですよ。呑みましょう。 タカハタ・イサオ」


おわり。

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